アトピー治療の新外用薬「ブイタマークリーム」。既存薬とは〇〇が大きく違う!?

皮膚疾患
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追記(2025年1月15日):
この記事の内容を公開後、さらに使用を続けていく中で、新たな気づきや変化がありましたので、3. 1ヶ月の使用レビューとして、使用感や効果についての補足情報を加えました。記事を更新した内容を確認いただけると幸いです。

1. はじめに

アトピー性皮膚炎の患者数は以前から年々増加しており、その薬も近年注射剤を始めとして次々と発売されて、中にはとても効果が高いものもあります。

そこでさらに、非ステロイド外用薬として2024年10月にブイタマー(タピナロフ)クリームという塗り薬が新発売されることとなりました。全く新しい作用機序の外用薬として注目を集めています。

2. ブイタマークリームの詳細

ブイタマークリームは、従来のステロイドとは異なるアトピー性皮膚炎の外用薬として、主にプロトピック軟膏、コレクチム軟膏、モイゼルト軟膏の3種類と比較されます。これらの薬剤とは異なるいくつかの特徴を持っています。

2-1. 効能効果・メカニズム

2-1-1. 効能効果
ブイタマークリームは、アトピー性皮膚炎に加え、尋常性乾癬にも適応が認められています。これにより、広範な皮膚疾患に対して治療効果が期待されます。他3剤が主にアトピー性皮膚炎に特化しているのに対し、ブイタマークリームは他の皮膚疾患に対する治療選択肢を提供する点での利点があります。

2-1-2. 作用機序
ブイタマークリームは、従来の非ステロイド系外用薬とは異なり、新しい作用機序を持った外用治療薬です。主要な作用機序として、AhR(芳香族炭化水素受容体)を活性化させることにより、皮膚での炎症性サイトカインやケモカインの生成を抑制し、炎症反応の軽減を図ります。このAhRの活性化によって、アトピー性皮膚炎などで見られる炎症を直接的に軽減する効果が期待されています。

また、Nrf2(核因子エリスロイド由来2様因子)も活性化することで、酸化ストレスを中心に働きがあり、肌の酸化ダメージから保護する効果が得られます。ストレスの抑制は、皮膚の修復や健康維持が重要です。

さらに、ブイタマークリームはフィラグリン(天然保湿因子)などの皮膚保護成分の産生を促進し、皮膚の保護バリア機能を強化することで、乾燥や外部からの刺激に対する皮膚耐性を向上させます。

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2-2. 用法用量

ブイタマークリームは1日1回の塗布で使用します。この使用方法は大きなメリットであり、入浴後に1回塗布するだけで済むため、塗り忘れが非常に減ると考えられます。一方、1日1~2回であるプロトピック軟膏は、使用開始初期は1日2回の塗布が推奨されており、使用から4週間後に改善が見られた際に1日1回に減量することが可能とされています。

また使用年齢に関しては、新薬でありまだ乳児などへの安全性が確立されていないため、12歳以上となっています。

薬品名ブイタマープロトピックコレクチムモイゼルト
成分名タピナロフタクロリムスデルゴシチニブジフェミラスト
用法1日1回1日1〜2回1日2回1日2回
使用上限なし1回5gまで1回5gまでなし
年齢12歳〜12歳〜生後6ヶ月〜生後3ヶ月〜

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2-3. 剤型

その名の通りクリームタイプの外用剤です。これに対し、プロトピック軟膏やコレクチム軟膏、モイゼルト軟膏は全て軟膏剤であり、使用時にベタつき、顔に塗った際のテカりが気になることがあります。しかし、ブイタマークリームはそのベタつきをかなり軽減できるとされています。

実際の使用感については、私自身も処方を受けて試す予定ですので、使用後にその感想をお伝えしたいと思っています。これにより、読者の皆さんにもより具体的な情報を提供できると思います。

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2-4. 効力

臨床試験では、ブイタマークリームを12週間使用した後、症状がほぼ消失もしくは消失した状態、かつ医師による皮膚の状態評価(IGA)が2段階以上改善した方の割合は20%強でした。

また、臨床試験においては、使用期間が8週程度から効果が現れ始め、16週までの期間においては使用期間に比例して効果が増加する傾向があります。16週以降は効果の上昇が緩やかになり、基本的には長期使用によって効果が減少することはないとされています。逆に言うと、8週間使用しても効果が現れない場合は、効果不十分とみなし中止すること、とされています。

ブイタマークリームはステロイド剤ではないため、効力の強さを詳細に記載することはできませんが、他の非ステロイド外用薬と同等の効果を示すと考えられます。おそらく、ステロイドの強さランクでは「mild〜strong」の範疇にあり、5段階中2〜3番目程度の位置にあると想定されます。

既存の非ステロイド外用薬の効果に関しては、様々な皮膚科医のブログを参考にすると、次のような比較が一般的です。

 ステロイドstrongクラス>プロトピック軟膏>コレクチム軟膏≒モイゼルト軟膏>ステロイドmildクラス

私自身もこれらの薬剤を数ヶ月以上使用した経験がありますが、ほぼ同様の感想を抱いています。このような情報は、患者にとっても重要な参考になるでしょう。

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2-5. 副作用

安全性試験では使用を中止するような、重篤な副作用は見られませんでした。ただし、他の非ステロイド外用薬に比べてやや特徴的な副作用が多いとされています。以下に、主な副作用とその頻度を示します。

  • 外用薬塗布部位の毛包炎:17.0%
    毛包炎とは、毛根を包んでいる毛包に炎症が生じる皮膚疾患です。主に毛穴付近の傷から、ブドウ球菌などの細菌が侵入することによって発生します。見た目は赤いブツブツ状でにきびと類似しています。
    ※製薬会社資料によると、ブイタマーによる毛包炎は細菌が原因で起こるわけではなく、毛包閉塞など別の要因が影響すると考察されているようです。
  • 接触性皮膚炎(かぶれ):8.9%
  • 外用薬塗布部位のざ瘡(にきび):7.6%
  • 頭痛:7.5%
  • アトピー性皮膚炎:3.2%

プロトピック軟膏などの他の非ステロイド外用薬も免疫系を抑制するため、毛包炎やざ瘡が発生する可能性がありますが、その発生率は通常2〜4%程度であり、ブイタマークリームはかなり高い割合でこれらの副作用が出現することが示されています。

頭痛と(そもそもアトピー治療してアトピーの副作用はおかしな話ですが)アトピー性皮膚炎については、具体的なメカニズムはまだ解明されていません。メーカーに確認したところ、それらの原因については不明との回答を得ました。ブイタマーの作用メカニズムから考慮しても、確かになぜ起こるかは想定がつきません。

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2-6. 特定の背景を有する方の注意事項

2-6-1. 皮膚感染症が発症した方
ブイタマークリームは炎症を引き起こす物質(炎症性サイトカイン)を抑える薬です。炎症性サイトカインは、炎症反応を促進し、細菌やウイルスを排除する役割を果たしますが、ブイタマーはこれらのサイトカインを抑制することで、皮膚感染症を悪化させる可能性があります。そのため、皮膚感染症が発症した場合は、基本的にブイタマーの使用を中止します。医師の指示のもと、抗菌剤や抗真菌剤、あるいは抗ウイルス剤に切り替えたり、併用したりすることが必要となります。

2-6-2. 妊娠
添付文書には「妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用」と記載されています。この文言は多くの医薬品に共通して見られるものです。ただし、臨床試験で使用された量の11倍で影響が出たことから、1回15g(1本分)以上の使用が必要であると考えられます。このため、医師の指示のもとに適切な使用を行えば、リスクは比較的低いと考えられます。

2-6-3. 授乳婦
本剤の使用により、動物実験(ラットの皮下注)で授乳への移行が報告されています。よって、使用には医師との相談が必要となります。

2-6-4. 小児
12歳未満の小児に対して、有効性や安全性の試験が行われていないために、現状では使用することはできません。

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3. 1ヶ月間使用レビュー

3-1. チューブの外装と薬の出しやすさ

ブイタマークリームの外装は、金属製プラスチックではなく柔らかいプラスチック製です。このタイプの容器は、例えばヒルドイドソフト軟膏やウレパールクリーム、ディフェリンゲルに近い触感と使い心地です。

柔らかいプラスチック容器のメリットとして、少ない力で中身を押し出せるため、使いやすさが際立っています。一方で、クリーム自体が比較的柔らかい性質を持つため、必要以上に出てしまうことがある点には注意が必要です。ただし、適量を調整する際に多少気をつければ特に問題にはなりません。

3-2. 使用感

ブイタマークリームの使用感についてですが、クリームタイプという特性もあり、これまでのアトピー性皮膚炎治療に用いられる非ステロイド外用薬、例えばタクロリムス軟膏などの軟膏タイプと比較して、圧倒的に良好です。

軟膏特有のべたつき感が少なく、特に顔に塗った際の不快感がほとんどありません。以前は頬杖をつく際に軟膏が手につくことがあり、それが不満でしたが、ブイタマークリームではそのようなストレスを感じることはありませんでした。

また、使用後は肌表面にクリームを塗った感覚がほぼ残らず、不快感が全くありません。この快適な使用感は、特に顔や手など日常的に動きが多い部位にとって大きなメリットと言えます。

3-3. 効果

そして、最も重要な効果についてです。試験的に、タクロリムス軟膏(プロトピック軟膏)とブイタマークリームのハーフテストを行いました。左半分の顔にはブイタマークリームを1日1回、右半分にはタクロリムス軟膏を1日2回使用しました。使用回数はそれぞれ添付文書に従っています。

結果として、効果はタクロリムス軟膏 > ブイタマークリームという印象を受けました。特に額の乾燥が気になりやすい部位では、見た目や触感からもタクロリムス軟膏の方が明らかに優れていました。また、実際にかかりつけの皮膚科医師に状態を確認してもらったところ、赤みの改善効果もタクロリムス軟膏の方が上回っているとの評価を受けました。ちなみに、赤みや乾燥がひどい時は、どちらも効かず見た目がひどいことになり、strongの強いステロイドを使用しなくてはいけませんでした。

ただし、ブイタマークリームが全く効果を発揮しないわけではありません。他の外用薬と比較すると若干劣るものの、特に軽度の症状やべたつきが気になる方には選択肢として適していると感じます。

個人的な評価としては以下の順序です:
プロトピック軟膏 > コレクチム軟膏 ≒ モイゼルト軟膏 ≧ ブイタマークリーム

3-4. 現段階での皮膚科医師の見解

ハーフテストを行った旨を皮膚科医師に伝え、診察中に意見を伺いました。現時点では、ブイタマークリームの処方例が少なく、発売から間もないことや薬価が高いことも影響して、他の患者での効果や比較データはほとんど得られていないとのことでした。

その上で、医師の見解として、アトピー性皮膚炎の外用治療薬としてクリームタイプである点が課題となる可能性があるとの意見をいただきました。クリームタイプは水分の蒸発が早いため、皮膚の保護作用が十分に得られにくいと考えられます。一方で、軟膏タイプは水分の蒸発を防ぎ、長時間皮膚を保護する効果が期待できるため、治療効果という観点では軟膏に分があると考えられるようです。

3-5. 副作用

顔に使用する場合、特に懸念される副作用としてニキビがあります。しかし、今回の使用ではほとんど気にならない程度でした。個人的な印象としては、ニキビのリスクは低いように感じられます。

また、添付文書において発現頻度が高いとされる頭痛についても、今回の使用範囲(顔)では全く気になりませんでした。頭痛に関しては、全身や広範囲に塗布する場合や大量使用時に発現しやすい副作用である可能性が高いと考えられます。

3-6. 使用レビューのまとめ

ブイタマークリームの使用感については、クリームタイプならではの使いやすさが際立ち、特に出しやすさや肌に塗った後の快適さが優れていると感じました。日常的に使用する上では非常に利便性が高い製品です。

しかし、効果に関しては他の治療薬と比べてやや劣ると実感しました。ただし、効果の実感には個人差は結構出ると考えられ、他の方にはより高い効果を感じる可能性もあります。

現在はまだデータが不足している段階ですので、今後皮膚科医師に他の患者のデータも含めて意見を伺い、より正確な評価を行いたいと考えています。今後のデータに基づいて、さらに詳しい評価ができると期待しています。

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4. まとめ

以上、アトピー性皮膚炎の新外用薬であるブイタマークリームについて取り上げてきました。

既存の非ステロイド治療薬と大きく異なる特徴を以下のようにまとめることができます。

  • 1日1回の塗布で効果が認められていること
  • アトピーの他に、尋常性乾癬にも適応があること
  • クリーム剤であるため、ベタつきが抑えられること
  • 毛包炎やにきび、かぶれの副作用の発生率が比較的高いこと

以上の特徴から、上3つはメリット、下1つはデメリットと考えられます。

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