メイク崩れを気にせず花粉症ケア!「アレジオン眼瞼クリーム」の新習慣

薬学
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1. アレジオン眼瞼クリームの概要

アレジオン眼瞼クリームは、花粉症などのアレルギー性結膜炎の症状に対処するために開発された、世界で初のタイプである眼瞼用クリームです。従来の目薬とは異なり、まぶたに直接塗布することで、有効成分がまぶたを通過して結膜に移行することで効果を発揮する薬です。

このクリームの主成分は、エピナスチン塩酸塩という抗アレルギー薬で、花粉症やアレルギー性結膜炎の原因となるヒスタミンなどのケミカルメディエーターの働きを抑制し、症状を改善します。現状であると、別製剤としては内服薬と目薬として販売されています。同剤は特に、目に優しく、従来の点眼薬に見られる「目に入ってしまうと不快感がある」という問題を解消しています。

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2. アレジオン眼瞼クリームの詳細

2-1. 適応症

アレジオン眼瞼クリームの適応症は「アレルギー性結膜炎」のみです。これは、アレジオン点眼液と全く同じです。

2-2. 用法用量

アレジオン眼瞼クリームは、1日1回上下まぶたに塗布とされています。
塗布するタイミングについては、1回はいつでも良いとされていますが、夜の入浴後に使用することが推奨されています。夜に使用することが推奨される理由は、使用忘れを防いだり、日中に比べて外的要因を避けやすく、安定して使用できるためです。

1回の使用量は30mgで、目安としては大人の人差し指の第一関節の半分の長さが適量です。この量を目安に、目の周囲均一にやさしく塗布するようにしましょう。塗った後薬が吸収されるまで、しばらくは洗顔や患部を擦ったりはしないようにします。

2-3. 使用制限

アレジオン眼瞼クリームは、本剤の成分(アレジオン錠、アレジオン点眼液など)に対して過敏症が出たことのある方は使用を避ける必要があります。それ以外の方は、通常問題なく使用できます。

妊婦への使用に関しては、動物実験において高用量での悪影響は認められています。しかし、通常の使用量(片眼あたり約30mg、両眼で約60mg)はほんのわずかであるため、これらの影響はまず考えにくいとされています。

12歳未満の小児に関しては、臨床試験が実施されておらず、安全性は確立されていません。そのため、12歳未満の子供への使用は慎重に判断する必要があります。一部の医師のブログなどでは、アレジオン点眼液と同様に、医師の判断で12歳未満の小児に対して処方が行われているケースも報告されていますが、使用に際しては必ず医師の指示の元に行いましょう。

2-4. 使用上の注意

1 目の中に入れないこと

まぶたに使用する薬ではあるのですが、眼軟膏とは異なり目の中に使用してはいけません。もし塗布時に誤って目の中に入ったら、すぐにお湯などで洗い流しましょう。

2 他剤との併用は最後に

アレジオン眼瞼クリームを使用する際、他の目薬や眼軟膏を併用している場合は、なるべく最後に塗布することが推奨されています。

これは、先にアレジオン眼瞼クリームを塗ってしまうと、その後に使用する目薬や眼軟膏がクリームと一緒に目の中に流れ込んでしまう可能性があるためです。したがって、他の目薬や眼軟膏を使用する場合は、まずそれらを先に使い、その後にアレジオン眼瞼クリームを塗布するのが正しい順序です。

3 直ちにかゆみを抑えるものではない

アレジオン眼瞼クリームは、使用後すぐにかゆみを抑える即効性はありません。これは、アレジオン点眼液を含む抗アレルギー薬全般に共通する特徴です。

抗アレルギー薬は、アレルギー反応を引き起こすヒスタミンなどの化学伝達物質を抑えることで効果を発揮します。しかし、症状が現れる前に使用を開始しておくことが重要です。具体的には、2週間程度の継続使用で効果が安定してくると言われています。

2-5. 副作用

アレジオン眼瞼クリームは、重篤な副作用はありませんが、しばしば軽微な副作用が現れることがあります。
特に、塗布部位であるまぶたに赤みやかゆみが出ることがあります。これらは、一般的な軽い反応であり、使用を中止することで改善されることが多いです。

万が一、まぶたの赤みやかゆみ以外で眼自体の炎症などの異常が見られた場合は、すぐに使用を中止し、眼科医に相談することをおすすめします。使用後に異常を感じた際は、早期の対応が重要です。

2-6. 薬剤費

アレジオン眼瞼クリームは1本2gと少量ですが、1回の使用量が30mgであるため、添付文書通りに1日1回、両目に毎日使用した場合、約1ヶ月強(33日間)もつ計算になります。

3割負担の場合、1本分すなわち1ヶ月強で薬剤費のみだと約1,000円です。 他の抗アレルギー目薬、特に後発品のある目薬を考えると割高には感じられるかもしれません。しかし、1日1回軽く塗布するだけのものと、1日4回目薬を点すことを比較すれば、この負担であっても以下のメリットを考慮すれば決してコスパは悪くないと思います。

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3. 眼瞼クリーム剤のメリット

3-1. 簡便かつ使い忘れが少ない

アレジオン眼瞼クリームは、1日1回の塗布で効果が持続します。このため、長期間の使用でも簡便さと使い忘れの少なさが大きな利点です。

一般的な抗アレルギー点眼薬は、1日4回が通常用法とされることが多いですが、アレジオン眼瞼クリームはこれを1日1回の塗布で代替できます。この利便性は、患者さんのアドヒアランスや生活の質(QOL)の向上に寄与します。

3-2. コンタクトレンズをしていても使用可

通常の目薬には、防腐剤として「塩化ベンザルコニウム」が含まれていることが多く、これがコンタクトレンズに付着して弊害を引き起こす可能性があります。しかし、アレジオン眼瞼クリームには防腐剤が含まれておらず、まぶたを通じて有効成分のみが結膜に到達して効果を発揮します。

そのため、コンタクトレンズを使用している方でも安心して使用できる製剤です。なお、数ある抗アレルギー点眼剤の中で、アレジオン点眼液(アレジオンLX点眼液)も防腐剤を含まないため、コンタクトレンズを装着したまま使用可能です。

ただし、個人差があるため、使用前に念のため眼科医に相談することをおすすめします。

3-3. メイクに影響を及ぼさない

特に女性にとって、メイクをしている時間帯に花粉症の症状をケアできる点は大きなメリットです。一般的な目薬では、使用後に目元が赤くなったり、点眼液がまぶたに残ることがあります。そのため、ファンデーションやアイメイクが取れてしまうことも少なくありません。しかし、アレジオン眼瞼クリームはまぶたに塗布するタイプなので、メイクに影響を与えることが少ないという特徴があります。

また、寝る前に使用すれば、メイクには全く影響せず、使用を継続することができます。これにより、日中のメイクを気にすることなく、花粉症対策ができるため、特に忙しい女性にとっては非常に便利な製品と言えます。

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4. 一般的な注意事項

4-1. 効果は他製剤と同じ

眼瞼クリームはその剤型が異なるものの、基本的な作用メカニズムは他の抗アレルギー薬と変わりません。以下の点を考慮して使用することが推奨されます。

  • 即効性はないため、効果を実感するには時間がかかります。したがって、花粉飛散時期の2週間以上前から使用を開始することが理想的です。
  • 単独でもそれなりに効果は期待できますが、高度な症状には対応できない場合があります。そのような場合には、症状が悪化した時にステロイドを併用したり、普段から抗アレルギー内服薬を併用することが必要です。
  • かゆみなどの症状が出てから使用するだけでは効果が薄いため、花粉の飛散時期には継続的に使用することが重要です。

4-2. まぶたには効果は不明

アレジオン眼瞼クリームはまぶたに塗布する薬ですが、まぶたのかゆみや炎症を抑える効果は認められていません。そのため、まぶた自体に炎症やかゆみがある場合には、別の治療薬を併用する必要があります。

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5. 眼瞼クリームに関する疑問点

アレジオン眼瞼クリームについて、メーカーの公式HP、インタビューフォーム、医師のブログ、YouTubeなどの情報を参考に記事を作成しました。しかし、これらの情報には記載されていない疑問点がいくつかあったため、直接メーカーである参天製薬に問い合わせました。以下は、その回答内容をまとめたものです。

5-1. 寝ている最中の方が吸収しやすいのではないか?

アレジオン眼瞼クリームの有効成分であるエピナスチンは、まぶたから涙を通して結膜に移行することで効果を発揮します。そのため、目を閉じている就寝中により効率よく吸収されるのではないかと考えました。

これについてメーカーに問い合わせたところ、

  • 臨床試験ではそのような検証は行っておらず、吸収の違いについては分からない
  • 臨床試験に参加した被験者の人数割合は、就寝前が約8割、起床後が約1割、日中が約1割であるが、それぞれの効果の差については特別な精査はされていない
  • いつ使用しても、適正に使用をしている限り、効果は発揮される

という回答を得ました。以上のことから結局は自分の塗りたいタイミングで良いということでした。個人的には、よりデータを精査して欲しかったと感じます。

5-2. 本当にまぶた自体には効果はないのか?

アレジオン眼瞼クリームは、まぶたに塗布して結膜に有効成分を移行させることで効果を発揮します。しかし、まぶたに塗る以上、多少なりともまぶた自体のかゆみや赤みに対して効果があるのではないか?と考えるのは自然なことです。しかし、さまざまな情報からだと一様に「まぶたには効果がない」とされているようです。

この点について、次のような回答がありました。

  • 「まぶたのかゆみや赤みに対する効果については、臨床試験で検証されていないため、効果があるかどうかは分からない」
  • 「効果がないと断言しているわけではなく、データがないため『不明』としている」

つまり、公式にはまぶたへの効果は確認されていませんが、個人差によっては効果を感じる可能性があるかもしれません。現時点では「効かない」と決めつけず、あくまで「不明」であると理解しておくのが妥当でしょう。

5-3. 目頭には効果はないのか?

アレジオン眼瞼クリームの添付文書や公式情報では、効果がある部位として「結膜」(いわゆる白目部分)のみが記載されており、他の部位に対する効果には言及されていません。しかし、実際には目頭のかゆみに悩む方も多く、私自身も目頭部分が特にかゆくなるため、この点に疑問を感じました。

よって上記の質問と一緒に問い合わせ、以下のような回答得ました。

  • 「目頭に対する効果は臨床試験では検証されていない」
  • 「しかし、動物実験では目頭部分の炎症や赤みを抑える効果が確認されている」
  • 「公式情報には記載していないが、目頭に効果がある可能性はある」

つまり、臨床試験でのデータはないものの、目頭のかゆみが軽減される可能性は十分に考えられます。実際に使用する際は、個人差があることを理解した上で試してみると良いでしょう。

5-4. 実際に試すのが一番確実

今回、アレジオン眼瞼クリームに関してさまざまな疑問をメーカーに問い合わせましたが、ほとんどの質問に対して「十分な検証をしていないため不明」という回答でした。正直なところ、個人的には納得のいかない部分もありましたが、臨床試験や追加検証を行うには莫大な資金と時間がかかることを考えると、仕方がないのかもしれません。

しかし、私自身、これからの時期に特に目頭がかゆくなるため、実際に試してみようと思っています。かかりつけの皮膚科医に処方してもらい、以下の2点を検証しようと思います。

  • 朝塗った場合と就寝前に塗った場合で効果の違いはあるのか
  • 目頭のかゆみに対して効果があるのか

この実験結果については、後日追記予定です。実体験を交えることで、同様の症状に悩む方々にとって有益な情報を提供できればと思っています。

6. 1ヶ月半使用レビュー

医師に処方してもらい、推奨通り1日1回入浴後を守り、ほぼ毎日約1ヶ月半(2日程度忘れあり) 継続した結果を提示します。また、特に内服の抗アレルギー薬(フェキソフェナジンなど)の併用はしませんでした。本来は効果をしっかり出すため、併用した方が良いと思います。

6-1. チューブの外装と薬の出しやすさ

アレジオン眼瞼クリームの容器は、一般的なアルミチューブタイプで、「リンデロン-VG軟膏」や「ゲンタシン軟膏」などと似た感触と使い心地です。ただし、内容量が2gであるため、かなり小さいチューブであり、他5gや10gチューブよりやや扱いづらいかもしれません。

使用開始から数日間は、チューブを少し押すだけでクリームが予想以上に出てしまい、やや取り扱いにくさを感じました。特に、少量を塗布したい目元のケアでは、量の調整が難しく、すぐにキャップを閉めないと中身が漏れやすくなる点はデメリットといえます。また、のちにこれが別の問題も引き起こす可能性も生まれました。

このような出し過ぎの問題は、使用を続けるうちに(およそ5日程度)解消し、徐々に適量をコントロールしやすくなります。そのため、大きな問題ではないものの、最初は注意が必要です。

6-2. 使用感・使用しやすさ

アレジオン眼瞼クリームの使用感は、一般的なクリームに近く、塗布後も刺激感やベタつきがほとんどありません。敏感な目元に使用しても違和感がなく、「何も感じない」レベルの自然な使い心地で、非常に快適でした。

特に実感したのが、使用の手軽さです。点眼薬の場合は、正しく使用するために目を閉じて目頭を押さえたり、数分間じっとしている必要がありますが、アレジオン眼瞼クリームではそういった手間が不要です。目の周囲に塗るだけで済むため、長期間でもストレスなく使用できました。

使用初期は鏡を見ながら丁寧に塗っていましたが、慣れてくると目を軽く閉じたままでも感覚で塗布できるようになります。塗布量の調整や塗る位置のコントロールもしやすく、日常使いにおける「継続のしやすさ」という点でも、目薬より圧倒的に利便性が高いと感じました。

6-3. 効果

もっとも気になる「効果」についてですが、体感としては例年の同時期より目を強く擦る回数が減ったと感じました。ただし、これはあくまで主観的な印象であり、日ごとに細かく記録をつけていたわけではない点はご承知おきください。

なお、従来使用していた抗アレルギー点眼薬については、いつも1週間ほど使うと煩雑さから中断してしまうため、今回のアレジオン眼瞼クリームと厳密に比較することは難しい状況です。

今回は効果の一つの指標として、「1日のうちに強く目を擦った回数」を簡易的に記録しました。使用開始から3〜4週目あたりまでは、週に2回程度、複数回にわたり目を強く擦る日がありましたが、1ヶ月を過ぎた頃からは、違和感は多少あるものの、強く擦ることが全くなくなりました。

この記録から考えると、継続的に使用することで一定の効果が期待できると感じています。目元のかゆみに対して、「使い続ける価値がある」と実感できる結果でした。

6-4. 副作用

添付文書によると、アレジオン眼瞼クリームの主な副作用としては、塗布部位(まぶた)における発赤やかゆみなどが報告されています。特に、アレルギー症状を訴える部位に直接使用するため、肌が敏感な方では注意が必要とされています。

しかし、私自身が約1ヶ月半使用した範囲では、発赤・かゆみ・腫れなどの副作用は一切みられませんでした。日常的に使用しても特に皮膚トラブルが起こることはなく、非常に快適に使用できたという印象です。

6-5. 疑問点に対する実証

上記の5. 眼瞼クリームに関する疑問点に関して、

  • 5-1. 寝ている最中の方が吸収しやすいのではないか?
    この点は、長期間の調査日が必要なので、朝に塗った時と効果の比較に関しては行いませんでした。また、花粉の強い次の時期に試してみたいと思います。

  • 5-2. 本当にまぶた自体には効果はないのか?
    これに関しては、私自身が花粉症でまぶたが荒れたり、かゆくなることはない(アトピーでは時々ある)ために試しようがありませんでした。

  • 5-3. 目頭には効果はないのか?
    この点に関しては、6-3. 効果の項に記載した通り、個人的な実証としては、継続して使用すればかなり抑えられるのではないかと思われます。

6-6. その他気になった点

ひとつ懸念点として挙げるとすれば、推奨されている使用量をきちんと守れていたか分からないという点です。

添付文書上では、本剤1本で約33日分の使用量とされています。しかし、私の場合は使用開始から45日が経過しても、まだ1/6ほど残っている状態です。塗り薬では、多少多めに中身が入っていることもありますが、それにしても残量が多すぎる印象があります。これは、明らかに1日あたりの使用量が規定より少なかった可能性が高いと考えられます。

その理由としては、特に使用初期には、チューブからの薬剤の漏れを防ごうと慎重に扱った結果、必要な量がしっかり出せていなかったこと考えられます。

この点をふまえ、開始当初のチューブの扱いづらさ(薬剤がうまく出ない問題)については、改善してもらえるとより良いなと感じました。

とはいえ、全体としては非常に満足度が高く、目薬に代わるアレルギー対策の新たな選択肢として、十分におすすめできる外用薬だと実感しています。


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